MATIM25thcontact

木村俊幸
MATIM25thcontact 

亡き惑星遊女のためのパヴァ-ヌ
“Pavane for a Dead Sex Odyssey ”
3月2日(木)-26日(日)
LOOP HOLE & ナディッフWindow gallery 同時開催
http://www.nadiff.com/?p=30042
☆LOOPHOLEは会期中、木曜日-土曜日 14時-18時オープン
※最終日26日のみ日曜オープン

3月12日  同ギャラリー/店舗でトークショー️
BUCHER ABC/gravavgrav/C.S.S.Oはるまげ堂TV”関根成年×藪前知子(東京都美術館/現代美術館キュレーター)×HI-VISIONS(小川泰、岡野智史、木村俊幸)のカオスな磁場メイト達のトークショー19時-
¥1200
課題)はるまげ堂TV(府中ループホール編)
https://youtu.be/AI8Bt9HklWk

CLEAR Gallery 
” パヴァーヌTV” by
HI -VISIONS (3月5日ー4月8日)
https://cleargallerytokyo.com/hi-visions-2023

恵比寿エスエス企画1F
“穴”と”宮”  画家OJUNと2日だけの2人展
3月18日(土)&19日(日)
https://anatomia.nicephoto.jp/

 

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ステイトメント

Buzz… ジジ…..それらが「メイティム」の抽象的意識下に置かれることにより、繋がらないはずのジグソーパズルのピースが何故か嵌るという事態に鑑賞者は遭遇することだろう…ジ..
( 林 澄子 MATIM- 不確かな楽園の人たち - 抜粋)

“MATIM”の活動はcontactという怪しげな冠をつけて現在25回目の展示(交信)となる。ルームメイト、チェックメイト、ソウルメイトにアニメイト、果てはカロリーメイトに至るまでmateという言葉は常に何かと”同居”する。mateを語源に編まれた造語”MATIM”は数年前までは発音すら定かではなかった。マティム?そうではない、”メイティム”だと何度も英語圏の友人に説明してきたのも無謀な試みだが、遂には苦笑いと共に発音してくれた時には何故か不思議な安堵感が双方に広がったものだった。

3年前に”発音記号と開いた口を描いた挿絵”がネットに上がり、固唾を呑んでポチると”メイティム”とアッサリ発音した。僕の唇はキャンペーンガールの釣り上がる頬の形に歪み、頭上の雲間が開き一陣の光が差し込む事は無かったが、グルグル周る山手線の天井の染みを凝視して”Yes MATIM”と呟き、拳を握った。

ジジ…..U.F.Oと人の季節はセットだ。告げに来るのだよ。今から始まるぞ、とか、もう始末を考えろとか。君の場合は春告鳥だ。これからいろいろ起こるぞ…ジ..( O JUN    O JUNと生徒の対話 - 抜粋)

2018年、カナダのVFX工房(Rodeo)の社長に呼ばれ現地入りするも、訪れた施設に広がる”山猫”の乱獲歴史の展示に魅入りvfxアーティストである事を忘れる。滞在中、帰国後のswitch point での個展のtitleばかり気になり、titleを”traveling”を捩り”travelince”にしたく発音を調べると、語尾が”リンス”ではなく”リンチェ”と発音すると気づく”トラベリンチェ”?と何度も呟きながら雪の中のモントリオールを練り歩く。..Yes MATIM..

展覧会DMとなった”宇宙パイロットを模したヘルメット”は元々は猫用の移動キャリーだっノダ。自分ですら気づいていなかった….そして、リンチェとは、”山猫”を指す。

私はまるで振り付けを仕込まれた猫系ダンサーの気分だった。

昨年末、NHK特番『フジ○ヘミング特集』に挿しこまれるハズの紙芝居『ショパンの伝記』を描く仕事が舞い込むもアッサリ目前で消失した。ショパンの似顔絵を筆ペンで何度も描いた記憶と、伝記を読んだ時のビジョンが宙に浮いたまま彷徨う3日間、ふと妻と娘に喪失感を拭うかのようにオススメのクラシック曲を尋ねたりした。

2人はラヴェルの”亡き王女のためのパヴァーヌ”を挙げた。パヴァーヌという摩訶不思議な発音に、ニヤリとする。脳裏に口元の発音形態の図案が浮かぶも、曲を聴いた瞬間、一気に涙腺が緩んだ。

直ぐにこの名曲をbeatmaker”Toad” に頼んで展覧会のイメージノイズにして貰う事にした。

ジ…嘗て女王だったと噂される老婆が冬の波止場に何度も訪れては、猫の群れに恭しく餌を上げている〜そんなビジョンが脳裏に浮かぶ。

Buzz..子供達は身なりの貧しい老婆を冷やかし、漁師は怪訝な顔で老婆に溜息をつく。雪の降り積もる朝、何故か盛り上がってる筈の雪がなく、重なりあった猫達が逃げてゆく。そこには小さく生き絶えた、”嘗て女王だった”と名乗る老婆が眠り、彼女の向く海原の先には乳房のような山々が連なる。

その宙空にクラゲのような意味不明の物体が黒く微かに揺らめいている。私はその前で、

Yes MATIM

とだけ呟いている。

(2023.2.7 MATIM戦記”パヴァーヌ”より抜粋)

Sound Noise by “Toad”(trackmaker)
youtu.be/SZpo1i4tOkk