In Molt

小山維子
In Molt
10月5日(木) – 10月28日(土)
14:00 – 18:00
木曜日 – 土曜日
10月7日(土)17:00- レセプションあり

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Oyama Yukiko
In Molt

October 5 (Thu) – October 28 (Sat)
Thursday – Saturday
14:00 – 18:00
10/7 (Sat) 17:00- reception

私はデグーという齧歯類と暮らしている。 特に暑い今年の夏はデグーの体調管理も兼ねて終始エアコンをつけっぱなしだった。野生で生きていたら外気温に合わせて自然と換毛するが、調整された室温のなかにいるせいで換毛期がずれてしまい、ごそっとお尻の毛だけ先に抜け落ち、セーターにパンツを履いているような状態になってしまった。 全身が毛に覆われている生き物の換毛は、なんだか丸ごと生まれ変わるというか、一新するというか、一種の変身のようなイメージがあったので色々過剰に心配したが、当のデグーは(多少皮膚の荒れはあるものの)いつもと変わりなく過ごしている。窓を開けると一目散に走ってきて鳥の声や陽の光、その日の外の匂いをしばらく確かめるし、人間のスケジュールなど気にもせず抜け毛を床に散りばめながら目を盗んでは部屋のなかを冒険する。 彼の意思ではなく、生き物の自然な反応として換毛のタイミングがくること、見た目が変わっても彼自身は変わらないことになんだかほっとした。 私の絵や日々の思考に自分の気持ちがついていけなくなるとき、自分のことを外側から見るのは難しい。そういうときの私はどんな毛並みをしているんだろう。絵を描いて人に見せることを続けている私の換毛期について、ふと考えてみている。